はじめに
一年前くらいに読んだ本書をたまたま手にとって再読した。 せっかくなので、いろいろと感じたことなどをメモしておく。
感想
頭のよさは他人が決める
まずは、本のタイトルにも入っている「頭のいい人」ということについて。 頭のよさには 2 種類に分けられると冒頭で語られている。
- 学校的知性:IQ や記憶力、学力など一人で完結する能力
- 社会的知性:他者の思考を読み、他者の信頼を得て、他者を動かす能力
本書では、上記のうち後者の「社会的知性」が最も重要と言われている。
理由としては、頭の良さは自分ではなく、他人が決めることであり、他者とのコミュニケーションにおいて判断される。つまり、他人から信頼されていてかつ、コミュニケーション能力が高いのがすなわち頭のよさということになる。
私もエンジニアという専門知識を持って仕事をする以上、非エンジニア(技術的バックグラウンドを有しない人)にいかに正しく話を理解してもらえるかに留意したコミュニケーションが重要だと改めて気付かされた。
コミュニケーション強者のふたつの条件
- 自信を持つこと
- 口ではなく、結果で自分の有能さを示す
上記はいずれも他人に信頼されるための条件と言ってもいい。自信がないことは、自分が承認されたい側に立つことにほかならないし、口で自己アピールしてしまうことは言うまでもなく承認欲求の現れである。
承認欲求を満たしてもらう側ではなく、満たす側に回ることで上手に信頼を得ることができ、コミュニケーション強者になれると言われている。
ここではサラッと説明されているが、言うは易し行うは難しだなとは思う。
相手の聞きたい話から話す
頭のいい人が難しいことも分かりやすく伝えることができる、ということについて筆者は話す前の「理解」に時間をかけていると言う。 物事の本質を理解するのに時間をかけ、対象物を分けて整理できている。
「重要な情報」と「その他雑多な情報」に分けて、いざ話す時は重要な情報を結論としてはじめに伝える。 そうすることで、聞く相手としては、どういう話の主旨の話なのか一瞬で判断でき、聞く準備ができる。
まずは相手(聞き手)のバックグランドや立場から何を聞きたいのかを理解(予想)するのが大事だし、それを踏まえて結論を導き出すのが大事なのかなと思った。 そういう視点を持つのは大事というのは分かって入るものの、自分のやるべきことだけに集中してしまったり、そもそも難しかったりするので意識して実践していきたい。
言語化の質がアウトプットの質を高める
筆者は、言語化を単なる思考を言葉にする行為ではなく、アウトプット全般をそう定義している。
なぜなら、コピーライターのような言語化を本職としていない建築家やデザイナーもクライアントの要望をヒヤリングして、その想いの本質を理解したうえで、建築物やプロダクトをアウトプットとして出しているからだと。
思考を深めて整理ができていて、言語化できた先に、インパクトのあるアウトプットが出せる、という点は割と日頃から実感していることでもあるので非常に腹落ちした。正直あまり理解していないことは自分の言葉で話すことが難しいし、ある程度理解できていることについては多少コンテキストが変わっても問題ないことが経験として多い。
まとめ
今回は、安達裕哉著の「頭のいい人が話す前に考えていること」を再読したが、総じて読みやすい本だった。
仕事やプライベートで役立ちそうな話す、聞くといったコミュニケーションについて分かりやすく整理されていた。 書いてあったことを真似して実践するところから始めてみようと思う。